貧血の中でも、難病指定を受けている病気が「再生不良性貧血」です。「鉄欠乏性貧血」が、赤血球のみ減少している状態だったのに比べ、「再生不良性貧血」は赤血球も白血球も血小板も全てが減少していく貧血なのです。ですから、症状も複雑です。
赤血球減少による症状では、顔色が悪くなり、動悸・息切れ、そして頭痛や立ちくらみなどが起こります。白血球減少の症状としては、免疫機能が低下し、感染症に罹りやすくなります。血小板減少の症状としては、鼻血をはじめ、歯茎、性器、消化管などから出血したり、皮下紫斑などが現れます。
血液中の赤血球や白血球や血小板など、全ての血球は、骨髄の「造血幹細胞」が分裂・増殖を繰り返し作られています。その血液を作りだす、おおもとの造血幹細胞で障害が起こり、全ての血球が作れなくなってしまいます。それが、「再生不良性貧血」という病気なのです。「鉄欠乏性貧血」であれば鉄剤を服用し、「悪性貧血」であればビタミン剤を補給すれば、改善が見込めます。
それに対して、「再生不良性貧血」の場合、骨髄に針を刺して「骨髄穿刺」の検査を行い、状態を把握します。治療としては、軽症の場合は、男性ホルモンの一種である「タンパク同化ホルモン」を投与して、貧血症状の様子を見守ります。一方、重症となると、「骨髄移植」か「免疫抑制療法」ということに。
「再生不良性貧血」の患者さんが、日常生活で気をつけなければならないことは、「感染」と「出血」です。この病気の特徴として、白血球が減少している状態ですので、感染には十分気をつけなければならないのです。また、血小板の減少もみられるので、出血にも気をつけましょう。
血小板が減少しているということは、出血が止まらなくなるということを意味するのです。固過ぎたり、口内粘膜を傷つけて出血してしまう恐れのある食べ物は避けることがオススメ。バランスのとれた食生活を心がけ、抵抗力のある身体を作りましょう。生ものはできるだけ避け、果物も皮を剥いて食べるなど、日常生活上の注意点は医師に相談しましょう。
難病指定のある病気ではあるのですが、最近では5年生存率を伸ばすという嬉しい報告もあります。重症に分類された患者さんの8割が、5年生存率を伸ばしているのですから、悲観する病気ではないのです。
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