「悪性貧血」は、日本における患者数は、欧米に比べて比較的少ない部類の病気だと言うことができます。原因不明だったひと昔前は、極めて治療困難な病気と言われ、一般的には不治の病、死に至る病という認識がありました。その影響から、「悪性貧血」という病名がつけられたのです。最近では、この「悪性貧血」の原因はビタミン12の欠乏と解明されました。
注射によってビタミン12を投与すれば治癒することが可能となったのです。原因が解明され、治療可能な病気となれば「悪性」と名のつく病名には違和感を感じる方も多いかもしれませんね。「悪性貧血」となりやすいのは、中年以降の方。主な症状は、貧血症状に加え、舌の痛み、しびれたり、感覚が鈍くなったりする知覚障害が現れます。
また、味覚障害が現れたり、萎縮性胃炎などが現れることも。ビタミン12を投与すると、これら症状はなくなることから、悪性貧血であるという診断を受けることもあります。ビタミン12は、赤血球を作るのに必要なビタミン。これが不足し、補給もしなければ、正常な赤血球は作られず、非常に大きな「巨赤芽球」という赤血球の前段階の母細胞を作ってしまうことに。
そして、その巨赤芽球が骨髄に溜まるのですが、この巨赤芽球は成熟せずに死んでしまうという特徴があるため貧血を起こすのです。このことから、別名「巨赤芽球性貧血」とも呼ばれています。「悪性貧血」の原因は、ビタミン12の欠乏だけではありません。赤血球を作る際、このビタミン12と共に必要となってくるのが「葉酸」です。
緑黄色野菜に含まれている葉酸は、通常の食生活で不足することは少ないものです。けれども、アル中で栄養不足の人や、続けて妊娠をしている人などは、葉酸不足に陥りやすいのです。そのため、葉酸不足のこういった方は、比較的「悪性貧血」になる危険性が高いと言われているのです。要注意。
葉酸不足による悪性貧血の症状は、貧血症状が主となり、ビタミン12不足のような神経症状は現れないのが特徴です。治療は、葉酸を経口投与する治療と食事の改善が中心となりますので、比較的治療しやすい症状と言えるでしょう。
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